第88章 このカウンセリングルームは信頼できるのか?

長谷川栞は便器にしがみつき、胃の中のものを吐き尽くす勢いでえずき続けた。くらくらするほど吐いたのに、なぜか脳裏に浮かんだのは――中野航平が届けてきた味噌汁のことだった。

あれは飲んでも、まったく気持ち悪くならなかった。

家のシェフが手間ひまかけて煮出したスープは、むしろ飲むたびにつわりがぶり返すのに。

翌日。

朝、中野航平が持ってきた朝食を口にすると、長谷川栞は珍しく彼にメッセージを送った。

【お昼、スープ飲みたい】

航平はその文面を見た瞬間、送り先を間違えたんじゃないかと疑ったほどだ。

けれど嬉しさが勝ったのだろう。昼は早めに仕事を切り上げ、わざわざスーパーへ寄ってスペアリブ...

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